感覚過敏・鈍麻とは?自閉症スペクトラム(ASD)の特徴・特性(聴覚・視覚・嗅覚・味覚・触覚)
2019年2月11日更新。
質問をいただいたのでお答えしていきます。
今回の質問はこちら。
自閉症スペクトラム(ASD)のものです。
ASDの人はほぼ100%の確率で感覚過敏を持っていると聞きましたが、自
分の場合、その過敏さの感覚がいまいちわかりません。
ドラマや映画などの媒体を含む、会話内容や楽曲の歌詞がその場で聞き取
りにくいといった類の感覚過敏(鈍麻?)は身に覚えがあるのですが、視
界が雪のゲレンデのように反射して見えたり特定の匂いや味が我慢できな
いほど苦手だったり、ということはないように思います。
むしろそういった物理的なものではなく、主にコミュニケーションにおい
てほんの些細なことをきっかけに、過剰すぎるぐらいの不快感や恐怖心ス
トレスを感じてしまう方なのですが、こういったメンタル的な過敏さも感
覚過敏、もしくはASDの障害における何らかの特性に含まれるのでしょう
か?
既出の質問でしたら申し訳ございません。
回答お待ちしております。
自閉症スペクトラム(ASD)の特徴・特性。感覚過敏とは
そうですね。
まず、感覚過敏にはいくつか種類があるのはご存知かと思います。
- 聴覚過敏
- 視覚過敏
- 嗅覚過敏
- 味覚過敏
- 触覚過敏
の5つですね。
これらは各感覚が過敏に感じられてしまうというものですね。
自閉症スペクトラムの人は何かしらの感覚過敏を持っていて、一つしか持っていない場合もあれば、複数持っている場合もあります。
そして究極的な言い方をすると、
感覚過敏とは感覚鈍麻のことであり、
感覚鈍麻とは感覚過敏のことであると言ってもいいと思います。
感覚鈍麻とは表面上に見える症状のことで、
感覚過敏とは本質のことだと考えています。
どういうことかというと、例えば、いろんな音が同時に耳に入ってくると特定の音が聞き取れなくなったりすると思いますが、
これは各音に過敏に反応してしまっているから特定の音だけを聞き取ることが難しくなるのだと思います。
僕もこれに該当します。
大きい音が鳴っている環境や複数の音が鳴っている環境では、
目の前や隣にいる人の声が聞き取れなかったり、楽曲を聞いていても歌詞が聞き取れなかったりという現象が起こります。
そんな時はだいたい、頭の中がしんどくなってくるというか、若干パニックを起こすというか、なんか怒りっぽくなってしまいます。
その他、目の前のことに集中しすぎている(過集中)時、人に何か話しかけられていても気づくことができないということもあります。
この時の各音や各情報に過敏に反応してしまっているのが感覚過敏(聴覚過敏)で、
そのせいで特定の音だけを聞き取ることが難しくなるのが感覚鈍麻(聴覚鈍麻)だということです。
感覚過敏と感情
そしてメンタル的な過敏さは、一般的には感覚過敏の中に含まれてはいないようですが、
個人的には、自閉症スペクトラム(ASD)の症状の本質は「感覚が特殊である」と考えています。
そう考えると、メンタル的な過敏さも、感覚過敏もしくは自閉症スペクトラム(ASD)の障害における特性と捉えてもいいと個人的には考えています。
自閉症スペクトラム(ASD)の人は、不安・恐怖といった負の感情には過敏で、別の一部の感情には鈍麻であるはずです。
そのために、よくストレスを感じると思います。
自分のことがよくわからないとか、他人の感情を理解するのが難しいと感じることがあるのはそのためです。
なので、メンタル的な過敏さも感覚過敏、もしくは自閉症スペクトラム(ASD)の障害における何らかの特性に含まれるのだと考えています。