グレーゾーン(軽度)とアスペルガー症候群の症状と特徴の違い
2019年3月1日更新。
アスペルガー症候群は、発達障害の中の自閉症スペクトラムの中に分類されている。
そして、アスペルガー症候群の事を、別名「真性アスペルガー」というが、
アスペルガー症候群の傾向を持つ人で、
- 比較的症状が軽かったり
- 社会生活もある程度こなせ
- 医師による診断をなかなかされなくて
- どうしても生きづらさを感じる
人のことを、
- グレーゾーンアスペルガー
- または、隠れアスペルガー
- または、軽度アスペルガー
という。
アスペルガー症候群特有の特徴や症状が比較的軽いという事だ。
軽いときくと、「グレーゾーンだからまだマシなんじゃないか」と思われがちだが、実は、ある意味真性アスペルガーの人よりも苦しんだりする。
それはなぜか。
- 診断をされにくいし
- 社会生活もなんとかこなせるため
- 気づかれにくく
- 支援を受ける事ができない事が多く
- グレーゾーン特有の悩みを持つ事が多い
ということが理由だ。
そんなグレーゾーンとアスペルガー症候群の症状と特徴の違いをまとめていこう。
グレーゾーン(軽度)とアスペルガー症候群の症状と特徴の違い
では、グレーゾーン(軽度)とアスペルガー症候群とではどういう違いがあるのか。
症状は共通している
アスペルガー症候群の症状自体は共通している。
- コミュニケーションの障害
- 対人関係の障害
- 特定の物事へのこだわり
- 感覚過敏
などの症状はどちらも共通しているが、程度が違う。
仕事の向き不向きが違う
- 真性アスペルガーは、工場の仕事などのルーチンワークを好むと言われているが、グレーゾーンの人はルーチンワークに飽きやすく向いていない事が多い。
- 真性アスペルガーの人は電話をしながらメモを取れないと言われているが、グレーゾーンの人はなんとか電話をしながらメモを取れる事が多い。
- 真性アスペルガーはコミュニケーション能力において、客とガッツリ話すようなタイプの接客業には向いていないと言われているが、グレーゾーンの人は訓練次第ではこなす事ができる事が多い。
このようになるのは、ワーキングメモリー(短期記憶)の能力に違いがあるために、仕事などの同時多タスク処理の能力に影響が出ているのではと考える。
もしくは、IQが高い人は生きてきた環境の中で症状を軽くすることがあったり、高IQ者特有の特徴が混合していることから、グレーゾーンになることもある。
なので、向いている仕事や向いていない仕事は真性アスペルガーの人とグレーゾーンの人とでは異なるので、自分と他のアスペルガー症候群の人との比較が重要になってくる。
ちなみに、このブログの筆者であるなっさんもアスペルガー症候群だが、IQが高いために生きてきた環境においてグレーゾーンになった。
コミュニケーション能力の違い
グレーゾーンの人はコミュニケーションは苦手だが、なんとかとれる事が多い。
真性アスペルガーの人でも、訓練次第ではなんとかコミュニケーションが取れる事も多いので判断は難しい。
しかし、グレーゾーンの人は少しだけだが、定型発達者(一般の人)に近いコミュニケーションが取れる事が多い。
そうは言っても、定型発達者との会話では困る事が多いので、微妙な違いだと感じる。
運動の向き不向きが違う
真性アスペルガーの人は運動が苦手な人が多いと言われているが、グレーゾーンの人は比較的運動が得意な人が多い。
場合によっては定型発達者よりも優れた運動能力を発揮する事もあるが、やはり運動の種類によっては得意不得意がある事が多い。
同じ球技をプレイする場合でも野球は得意だが、バスケットボールが苦手といった事もあるくらいだ。
あの有名なマリナーズの日本人打者をイメージするとわかりやすいかもしれない。
彼はアスペルガー症候群ではないかと言われているのだ。
IQ(知能指数)の違い
真性アスペルガーの人よりも、グレーゾーンの人の方がIQ(知能指数)が高い人が多い。
なので、真性アスペルガーの人よりも
- 思い込みが弱く
- 視野が広く
- 問題解決能力も高い(思考力)
事が多い。
そのため、グレーゾーンの人は年齢を重ねれば重ねるほど、改善や寛解に向かいがちなので、真性アスペルガーの人より比較的アスペルガー症候群だと見られる事は少なくなる。
しかし、やはりアスペルガー症候群の症状はなくならないので、生きづらさを感じる事に変わりはない。