【鍛える方法】働かないカクテルパーティ効果と聴覚過敏。アスペルガー症候群・ADHD
2019年2月14日更新。
アスペルガー症候群は、発達障害の中の自閉症スペクトラムの中に分類され、
ADHDは、発達障害の中に分類されている。
そんな発達障害の自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群やADHDの人は、「感覚過敏」を持っている。
これは100%断言できるものであるそうだ。
あとで詳しく触れていくが、自閉症状があるから感覚過敏が発生するのではなく、感覚過敏があるから自閉症状が発生するためだ。
そのため、自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群やADHDの人は、感覚過敏によって困る事が多い。
このブログの筆者である、なっさんもそうだ。
なので、なっさんの体験談やそれを元に考察した内容が多く書かれている。
まず、感覚過敏とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の感覚が敏感すぎる事。
これにより、「不快感」や「ストレス」から拒否反応を示す事が多い。
感覚鈍麻とは、過敏とは逆に上記の5つの感覚が鈍すぎる事。
これにより、日常生活に支障をきたす事も珍しくない。
そんな感覚過敏たちの中でも、「聴覚過敏」についてまとめてみた。
聴覚過敏と聴覚鈍麻は表裏一体
例えば、視覚情報に過集中している時は、周りの声が聞こえているが頭の中には入ってこない。
視覚情報に過敏に反応して頭の中がいっぱいになって、その他の感覚が入ってこなくなり、鈍くなっている状態なのだ。
人が大勢いる場所でもそうだ。
いろんな人の声や物音に過敏に反応して、目の前の特定の人の声を聞き取ることが困難になったり、聴覚情報過多の状況がストレスを生む。
これは、聴覚過敏と聴覚鈍麻の関係上成り立ってしまっている事だ。
聴覚過敏が発動している時は、特定の音に対しては聴覚鈍麻になっているのだ。
聴覚過敏は人によっても症状や度合いが違うので、個人差がある。
そして、治療方法は今のところはっきりとしたものはまだないようだ。
なので、個人で対処していく事が重要になってくる。
解決にはならないが、雑音が激しいところではイヤホンやヘッドホンをつけたりなどの工夫が重要になってくる。
そうすると、雑音による聴覚情報過多のストレスからだいぶ解放されるからだ。
冒頭でも触れたが、感覚過敏は自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群やADHDの人はほぼ100%持っている。
なっさんも感覚過敏の中でも、聴覚過敏と聴覚鈍麻を持っている。
聴覚過敏と聴覚鈍麻の4つの症状とパニック「メルトダウン」
聴覚過敏はどんな症状が起きるのかというと、
電気屋の店内、電車内などで複数の音を聞いていると、頭の中が麻痺するような感覚や、頭の中が回るような感覚がして、ストレスを感じる。
こういう自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群特有のパニックを「メルトダウン」という。
一般の人もストレスくらいはあると思うが、感覚過敏の人は、より激しい。
聴覚過敏と聴覚鈍麻の症状①大きな音に敏感に反応
突然の大きな音に不快感を感じる。
いきなり大きな音を聞くと、ビクッ!!イラッ!!とする。
そして、その時は他の音を認識できない。
これも一般の人もあると思うが、感覚過敏の人はより激しい。
聴覚過敏と聴覚鈍麻の症状②話しの切り出しの言葉が聞き取れない
人に何か言われた時、だいたい1回は聞き返す。
いきなり話し始められたら、最初あたりが聞き取れないので、最初はまず名前を呼んでもらいたいものだ。
聴覚過敏と聴覚鈍麻の症状③話しかけられていても言葉が頭に入ってこない
パソコンやスマホの画面に集中していて、他の人に話しかけられている事に気づかない事はよくある。
しかし、名前を呼ばれたら気づく。
最初から名前を呼べばいいのに。
聴覚過敏と聴覚鈍麻の症状④音楽の歌詞が聞き取れない
音楽の歌詞が聞き取れない。
有線が流れていて、一緒にいる人が、この歌詞いいねーなんて言ったりすると、
は!?何が!?
全然聞き取れないし!!
なんでなんとなく聞いてるだけで聞き取れるの!?
ってなる。
よっぽど集中したら聞き取れるが、歌詞の意味が連想できない。
歌詞を朗読されたら意味もわかるんだが!
聴覚処理能力が低いという言い方もできるかもしれない。
カクテルパーティー効果
パーティーなどで目の前の人の会話を聞き取る為に、それ以外の人たちの雑踏のような声を遮断する働きを、カクテルパーティー効果と言う。
要は、「慣れ」である。
聴覚過敏を持っている人はこの機能があまり働かないと思われる。
なっさんもこれはよくある。
人が大勢いるところでは目の前の人の会話がかなり聞こえにくい。
後ろの方や近くで予期せぬ少し大きめの音が鳴った時も、その音に感覚が支配され、目の前の人の会話が聞き取れなくなる事もしばしば。
発達障害者特有の認知特性のひとつとして、カクテルパーティー効果が薄い、あるいは機能しないというのがあるわ。カクテルパーティー効果っていうのはノイズまみれの情報の中から必要な情報を取り出す能力ね。発達障害者はこれが弱いから些細なノイズに反応したり必要な情報が抽出できなくなっちゃうの
— 発達障害者の背中を支える妹bot (@isam3lbot) 2018年1月16日
騒がしい場所で人の話が聞こえなくなることはありませんか?発達障害者の方は騒音から特定の音を拾うカクテルパーティー効果が弱いことが知られています。対策としては騒がしい場所では聞こえないことを伝え場所を移してもらうことです。これは難聴と同じなのでそのような場所を回避するしかないのです
— 発達障害者の背中を支える妹bot (@isam3lbot) 2018年1月20日
自閉症状と感覚過敏の関係性
自閉症状があるから感覚過敏が発生するのではなく、
感覚過敏があるから自閉症状が発生する。
冒頭でアスペルガー症候群の人ならほぼ100%感覚過敏を持っていると書いた理由もここにある。
過集中の例がわかりやすい。
強烈な視覚刺激が入ってきて過剰に反応し、他の情報や感覚が入ってきにくくなる。
感覚過敏の実態
感覚過敏とは「特殊感覚」の一つだ。
自閉症スペクトラムの人を一言で表すなら「特殊感覚者」だと思う。
感覚過敏、感覚鈍磨、自分が消える感覚、恐怖心が強い、納得、など。
その中でも、「納得」と言うものが感覚過敏の実態ではないかと思う。
どう言う事かというと、聴覚過敏で例えると、不意の大きな音や多くの大きな音に敏感に反応しストレスになると思うが、意図的に自分で発生させた音も同様だろうか?
答えは「NO」だろう。
自分で発生させた音もそうだが、「今から大きい音がなるよ」と言われた直後の音に関しては、そんなに敏感に反応しないだろう。
要は「納得する音かどうか」と言う事になる。
人に触れられた時も(触覚過敏)、何かを理解する時もこの「納得」というものが一つの重要な鍵になるだろう。
これらは、把握して向き合っていくしかない。
なかなか難しい事もあるかと思うが、自分なりに工夫しないと生きづらいだけなので、試行錯誤繰り返していく必要がある。
カクテルパーティー効果を鍛える方法
「カクテルパーティー効果を鍛える方法」という表現が正しいかどうかはわからないが、最近それらしいことを体験したので、共有しよう。
最近、赤ちゃんが生まれたのだが、赤ちゃんの泣き叫ぶ声が耳に触ってしょうがなかった。
その時は、当然他の聴覚情報を聞き取ることができなかった。
しかし、今はその時でも他の聴覚情報を聞き取れるし、赤ちゃんが泣き叫ぶ声を聞いてもそんなにストレスではなくなった。
どうやったかというと、「意識」。
赤ちゃんが泣き叫ぶ声に反応するよりも、
「なんで泣いているんだろう」というところに意識を持っていったり、
「赤ちゃんが泣くのはしょうがないこと」という意識を持つようにしたら、
だいぶ鍛えられてカクテルパーティー効果もある程度は機能するようになり、ストレスも軽減できた。