自己愛性人格障害(過敏型)とアスペルガー症候群(ASD)受動型の特徴の違い
2019年2月9日更新。
発達障害の「アスペルガー症候群受動型」と
精神障害の「自己愛性パーソナリティ障害(旧自己愛性人格障害、通称メンヘラー)過敏型(過剰警戒型)」は似ているところが多い。
しかし、似て全く異なる障害だ。
余談になるが、近年「メンヘラ」という言葉が流行している。
メンヘラがどういう意味かというと、
- 精神状態が不安定な人
- 心が病んでいる人
という意味の言葉だ。
このメンヘラという言葉が流行する前にも「メンヘラー」という言葉は存在した。
それが自己愛性人格障害の通称だ。
なので、メンヘラという言葉の語源は「メンタルヘルス」の他にも、この「メンヘラー」というのも語源になっているのかもしれない。
では、アスペルガー症候群受動型と自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)のそれぞれの特徴の共通点や違いをまとめていこう。
- アスペルガー症候群(ASD)とは
- 自己愛性人格障害とは
- 自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)とアスペルガー症候群受動型の特徴の共通点
- 自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)とアスペルガー症候群受動型の特徴の違い
- 自己愛性人格障害(過敏型)とアスペルガー症候群受動型の特徴の違い、まとめ
アスペルガー症候群(ASD)とは
アスペルガー症候群は、先天性の脳機能障害である発達障害の中の自閉症スペクトラムの中に分類され、さらに、5つのタイプに分類される。
- 孤立型
- 受動型
- 積極奇異型
- 大仰型
- 尊大型
そして、先天的な「感情把握機能の低下」により、下記の3つの症状を有する知的障害のない軽度の自閉症のことをさす。
- コミュニケーションの障害
- 人間関係の障害
- 特定の物事へのこだわり
自己愛性人格障害とは
自己愛性人格障害は精神障害に分類される。
そして、親などに認めてもらえない、肯定されない環境に長くいたことで、
- 根拠もなく自分は特別だとか優れているとか自分に誇大なイメージをもち
- 過剰な賞賛や認めてもらいたい欲求が強く
- 逆に過小評価をされたと感じると傷ついて嫉妬したり怒ったりし
- 共感性が低い
特徴を持つ人のことをさす。
そして、自己愛性人格障害には、2つのタイプがある。
- 無関心型(無自覚型)
- 過敏型(過剰警戒型)
大まかな違いは攻撃性が高いかどうかだ。
ここで書いている過敏型は攻撃性が低いタイプだ。
自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)とアスペルガー症候群受動型の特徴の共通点
自分の意見や感情を出さない
アスペルガー症候群受動型の人は、感情機能把握機能が低下していて周囲を観察することを覚えているので、自己主張をほとんどしない。
自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)の人は、他者からの評価を気にするあまり自己主張をすることに恐怖を感じるため、ほとんどしない。
他者からの評価を気にする
アスペルガー症候群受動型の人は、嫌われたくないがために他者からの評価を気にする。
自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)の人は、良い評価をされたいがために評価を気にする。
落ち込みやすい
アスペルガー症候群受動型の人は、完璧主義のため少しでもうまくいかなかったら落ち込む。
自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)の人は、理想の自分のようにうまくいかないため落ち込む。
人の顔色を伺う
アスペルガー症候群受動型の人は、嫌われたくないがために顔色を伺う。
自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)の人は、評価されたいがために顔色を伺う。
あまり目立とうとしない
アスペルガー症候群受動型の人は、積極奇異型が混じっていない限り目立つという概念がない。
自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)の人は、他者からの評価が気になるので目立とうとしない。
自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)とアスペルガー症候群受動型の特徴の違い
理想の自分か現実の自分
アスペルガー症候群受動型の人は、理想の自分を掲げるというよりは、自分のことが嫌い。
自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)の人は、理想の自分と現実の自分にギャップがあり、才能があると思い込んでいるために比較して落ち込む。
白黒思考・完璧主義
アスペルガー症候群受動型の人は、完璧主義で白黒思考。
自己愛性人格障害(過敏型・過剰警戒型)の人は、そうでもない。
自己愛性人格障害(過敏型)とアスペルガー症候群受動型の特徴の違い、まとめ
- アスペルガー症候群受動型と自己愛性人格障害(過敏型)は似ている
- アスペルガー症候群は先天的な脳機能障害
- 自己愛性人格障害は後天的な精神障害
- この二つの共通点は、
- 自分の意見や感情を出さない
- 他者からの評価を気にする
- 落ち込みやすい
- 人の顔色を伺う
- あまり目立とうとしない
- この二つの違いは、
- 意識が理想の自分か現実の自分に向く
- アスペルガー症候群には白黒思考・完璧思考がある